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HYSIA

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裁判官が認めたシロアリ専門家の証言 ~ HYSIA、シンガポール法廷での記録 ~

公開日: 2026.03.07

裁判官が認めたシロアリ専門家の証言 ~ HYSIA、シンガポール法廷での記録 ~

秋田県に本社を置く衛生管理企業HYSIA(株式会社ダイナミック・サニート)の昆虫学者 Jo Lynn Teh, BCE が、2026年2月3日、シンガポールのState Courts(国家裁判所)で専門家証人として証言台に立ちました。

地下シロアリ(土壌性シロアリ、Subterranean Termite)の一種である Coptotermes sp. の被害をめぐるコンドミニアム(分譲マンション)の紛争において、独立した専門家証人(昆虫学者)として出廷したものです。両当事者の弁護士による反対尋問を経た上で、裁判官は証言の信頼性を認め、追加の反対尋問は不要と判断しました。

本記事では、この出廷の経緯と裁判所での評価について報告します。

[事案の概要] コンドミニアムでの地下シロアリ紛争

本件は、シンガポールのコンドミニアム住戸オーナーと物件管理会社の間で発生した、地下シロアリ被害に関する紛争です。

HYSIAは、シンガポールの名門法律事務所 Lee & Lee LLP を通じて、独立した専門家証人として任命を受けました。科学的見地から被害状況を評価し、裁判所に対して中立的な立場で証言する役割です。

Lee & Lee LLP は、故リー・クアンユー氏が政界に進出する以前に夫人クワ・ゲオクチュー女史とともに設立した、シンガポールで最も歴史ある法律事務所の一つです。

専門家証人のプロフィール

今回出廷した Jo Lynn Teh, BCE は、応用生物学(都市・医用昆虫学専攻)の優等学位を持ち、害虫管理業界で17年の実務経験を有する昆虫学者です。

  • BCE(Board-Certified Entomologist): 米国昆虫学会(ESA)認定昆虫学者
  • 害虫技術者ライセンス: シンガポール国家環境庁(NEA)認定
  • SPMA(シンガポール害虫管理協会): Honorary Secretary(名誉幹事)として現職
  • FAOPMA(アジア・オセアニア害虫管理連合): メンバー
  • Republic Polytechnic: 総合的有害生物管理(IPM)モジュールの准講師
  • Yellow Ribbon Singapore: シンガポール・チャンギ刑務所における害虫管理分野唯一の職業訓練トレーナー

現地調査と報告書の作成

2025年9月、HYSIAは対象物件において包括的な現地調査と技術的評価を実施しました。調査の結果、対象のシロアリは Coptotermes sp.(イエシロアリ属の一種)と属レベルで同定されています。侵入経路、環境条件、シロアリの活動状況を重点的に分析しました。

調査結果は正式な昆虫学レポートとして取りまとめ、宣誓供述書(Affidavit)として裁判所に提出しました。レポートは、法的証拠として求められる客観性(objectivity)、技術的厳密性(technical rigor)、再現性(reproducibility)の基準を満たすよう作成しています。

法廷での証言と裁判官の判断

公開審理において、HYSIAは最初の証人として出廷しました。調査手法、調査結果、シロアリ評価の科学的根拠、そして専門家としての資格について証言を行っています。

両当事者の法的代理人による反対尋問が実施されました。その過程で、被告側弁護士がHYSIAの専門家としての資格に疑問を呈しましたが、担当裁判官は宣誓供述書と資格証明を精査した上で、そのような質問は本件において重要ではない(not material)と判断し、審理の進行を指示しました。

裁判官は以下の見解を示しています。

  • 専門家証言は信頼性が高く、確かなもの(credible and reliable)である
  • これ以上の反対尋問は不要である
  • 専門家証人の出廷義務を正式に解除する

これをもって、本件におけるHYSIAの役割は完了しました。

この事例が示すもの

害虫管理の専門家が裁判所で証言を求められ、反対尋問を経てもなお裁判官から信頼性を認められるということは、調査と証言の質が法的な検証に耐えるものであったことを意味します。

シロアリ被害に関する紛争は、日本を含むアジア各地で発生しています。コンドミニアム(日本でいう分譲マンション)における被害の責任の所在をめぐる争いは、日本の管理組合でも起こりうる問題です。こうした紛争では、当事者から独立した第三者による科学的な調査・評価が重要な役割を果たします。

HYSIAは、秋田県の本社を拠点に、シンガポール・マレーシア・オーストラリアの現地スタッフと連携して衛生管理サービスを提供しています。現場での害虫・シロアリ対策に加え、科学的知見に基づくコンサルティングや法的支援にも対応しています。

※裁判所構内での撮影・録音は禁止されているため、法廷内の写真はございません。