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裁判官が認めたシロアリ専門家の証言 ~ HYSIA、シンガポール法廷での記録~

公開日: 2026.03.09

裁判官が認めたシロアリ専門家の証言 ~ HYSIA、シンガポール法廷での記録~

本記事では、この出廷の経緯と裁判所での評価について報告します。

[事案の概要] コンドミニアムでの地下シロアリ紛争

本件は、シンガポールのコンドミニアム住戸オーナーと物件管理会社の間で発生した、地下シロアリ被害に関する紛争です。

HYSIAは、シンガポールの名門法律事務所 Lee & Lee LLP を通じて、独立した専門家証人として任命を受けました。科学的見地から被害状況を評価し、裁判所に対して中立的な立場で証言する役割です。

Lee & Lee LLP は、故リー・クアンユー氏が政界に進出する以前に夫人クワ・ゲオクチュー女史とともに設立した、シンガポールで最も歴史ある法律事務所の一つです。

専門家証人のプロフィール

今回出廷した Jo Lynn Teh, BCE は、HYSIAのシンガポール法人 HYSIA Singapore(Dynamic Sanito SEA Pte. Ltd.)に所属する昆虫学者です。応用生物学(都市・医用昆虫学専攻)の優等学位を持ち、害虫管理業界で17年の実務経験を有しています。

  • BCE(Board-Certified Entomologist): 米国昆虫学会(ESA)認定昆虫学者
  • 害虫技術者ライセンス: シンガポール国家環境庁(NEA)認定
  • SPMA(シンガポール害虫管理協会): Honorary Secretary(名誉幹事)として現職
  • FAOPMA(アジア・オセアニア害虫管理連合): メンバー
  • Republic Polytechnic: 総合的有害生物管理(IPM)モジュールの准講師
  • Yellow Ribbon Singapore: シンガポール・チャンギ刑務所における害虫管理分野唯一の職業訓練トレーナー

現地調査と報告書の作成

2025年9月、HYSIAは対象物件において包括的な現地調査と技術的評価を実施しました。調査の結果、対象のシロアリは Coptotermes sp.(イエシロアリ属の一種)と属レベルで同定されています。侵入経路、環境条件、シロアリの活動状況を重点的に分析しました。

調査結果は正式な昆虫学レポートとして取りまとめ、宣誓供述書(Affidavit)として裁判所に提出しました。レポートは、法的証拠として求められる客観性(objectivity)、技術的厳密性(technical rigor)、再現性(reproducibility)の基準を満たすよう作成しています。

法廷での証言と裁判官の判断

公開審理において、HYSIAは最初の証人として出廷しました。調査手法、調査結果、シロアリ評価の科学的根拠、そして専門家としての資格について証言を行っています。

両当事者の法的代理人による反対尋問が実施されました。その過程で、被告側弁護士がHYSIAの専門家としての資格に疑問を呈しましたが、担当裁判官は宣誓供述書と資格証明を精査した上で、そのような質問は本件において重要ではない(not material)と判断し、審理の進行を指示しました。

裁判官は以下の見解を示しています。

  • 専門家証言は信頼性が高く、確かなもの(credible and reliable)である
  • これ以上の反対尋問は不要である
  • 専門家証人の出廷義務を正式に解除する

これをもって、本件におけるHYSIAの役割は完了しました。

この事例が示すもの――グローバル企業のペストリスク管理

害虫管理の専門家が裁判所で証言を求められ、反対尋問を経てもなお裁判官から信頼性を認められるということは、調査と証言の質が法的な検証に耐えるものであったことを意味します。

本件は個人と管理会社の紛争でしたが、同様の問題はグローバル企業においてより深刻な形で発生します。海外拠点の工場や倉庫でシロアリや害虫被害が発生した場合、社内の施設管理部門・調達部門・現地法人、さらには物件オーナーやテナント、害虫管理業者など、多数のステークホルダーが関わります。発生原因の特定、対策の立案と評価、費用負担の配分――これらの判断を誰が主導すべきか合意が得られず、対応が遅れることで損失が拡大するリスクは少なくありません。

こうした局面で求められるのが、いずれの当事者からも独立した第三者による客観的な分析です。HYSIAは、秋田県の本社を拠点に、シンガポール・マレーシア・オーストラリアの現地スタッフと連携し、国境を越えて複雑化するペスト問題に対応しています。科学的根拠に基づく調査・評価を通じて、全てのステークホルダーにとってコストとリスクを最小限に抑える解決策を提示する――それがHYSIAの役割です。

現場での害虫・シロアリ対策に加え、本件のような法的支援やコンサルティングにも対応しています。

※裁判所構内での撮影・録音は禁止されているため、法廷内の写真はございません。